フレンチクオーターとミシシッピ川沿いをざっくりと歩いた後、Voodoo & Cemetery Tourに参加することにしました。
なんだか気味の悪そうな名前のツアーですが、誰でも気軽に参加できるツアーです。
所要時間は2時間ちょっとで、参加費は1700円ほどです。
ブードゥー教とニューオーリンズの歴史を巡る
ニューオーリンズは音楽や独特な食文化の街という色が強いことは言うまでもありませんが、宗教や民間信仰に基づく習慣も独特な文化を持つ街でもあります。
日本でよく知られているのがジャズ・フューネラルでしょうか。
誰かが亡くなったとき、葬送の帰り道でジャズバンドが陽気な音楽とともに行進していく様を思い浮かべる方も多いと思います。
ブードゥー教は民間信仰の一つで、奴隷貿易によって黒人がアメリカ大陸(そしてニューオーリンズ)に連れてこられた際、白人たちの迫害を避けるためにアフリカの宗教がカトリックと徐々に融合していったことで誕生したと言われています。
このツアーでは、ブードゥー教にまつわるスポットとニューオーリンズの墓地を巡り、その歴史とちょっぴりオカルトなストーリーを楽しむというものです。
なお、もちろん全て英語なのと、それなりに固有名詞や用語、人物名が多く登場するので内容を完全に理解することはとても難しいのですが、ガイドに任せれば主要なスポットに連れて行ってくれて実物を見ることができるので、それだけでも十分楽しめると思います。
集合場所はジャクソン・スクエア |
最古の墓地へ
ジャクソン・スクエアを出発し、ガイドさんの説明を聞いたり雑談をしながら歩くこと15分ほど。
観光名所にもなっているセントルイス第1墓地へ到着します。
ニューオーリンズは墓地の形も独特なのは有名な話ですね。
ハリケーンで水没してしまうこともあるほど土地が低いので、土の中ではなく地上に建てた墓標の中に埋葬するという形を取っています。
日本も沖縄なんかは亀甲墓が有名ですよね。
歴史を感じる墓所 |
ここはニューオーリンズ最古の墓地とのことで、歴史上の著名人が多く埋葬されているそうです。
主な人を挙げると、海賊のジャン・ラフィート、黒人奴隷を拷問したといわれるデルフィーン・ラローリー、そしてブードゥー教のクイーンといわれたマリー・ラヴォーなどがここに眠っています。
(知っていたような書き方ですが、説明を受けたときはジャン・ラフィートしか知りませんでした。笑)
ジャン・ラフィートは、東京ディズニーランドのカリブの海賊のキューラインに肖像画が飾られていますね。
それから実際にボートに乗り込む船着場に「ラフィートの船着場」と書かれた看板が下がっているはずです。
壁にも墓標が |
ですが、意外なことに最近の年代の墓標も存在していて、2018年に亡くなったばかりの方のお墓も見つけました。
つまり、まだ現役で利用されている墓地なんですね。
おそらく、敷地内に点在する納骨堂に、先に入っていた故人の骨を納め、新しい故人を迎え入れているのだと思います。
それから、上の写真の右側の壁に、小さな小窓のような穴が空いているのがわかるかと思いますが、こちらも墓標です。
家のような形をしている墓標を立てられるのは、どちらかと言うと富裕層で、中流階級以下の人は壁の集合墓に納められることが多いんだそうです。
ガイドさんの話だと、この壁の小さな墓標は入れ替わりが激しく、大体2年で別の人の遺体に入れ替えられるのだとか・・・
生前に土地をお買い上げするセレブ
突如現れるピラミッド |
何とこれ、ニコラス・ケイジが既に購入した墓所だそうです。(笑)
まだ生存する彼は、ここを将来の居住地にすべく、場所と墓碑を先に購入したのだそうで・・・ここが現役で利用されていることがよく分かりますね。
奇跡の魔術師、ここに眠る
マリー・ラヴォーの墓 |
説明を受けたときはよく分からなかったので後日調べたのですが、19世紀初頭に生まれ、医者であった彼女はブードゥー教の司祭として、人種や宗教を問わず幅広い人々に魔術を施し、奇跡を起こした人物と言われているそうです。
当時は衛生環境が悪かったために疫病が発生しやすく、身分の差により十分な医療を受けることができなかった人々は、彼女のブードゥーの魔術を信じて病気の克服を図ったとのことです。
僕はブードゥーと聞いて、ディズニー映画「プリンセスと魔法のキス」に登場したヴィランであるDr. ファシリエを思い浮かべてしまうので、どうしても黒魔術とか悪事に使われる呪いの人形を思い浮かべてしまいますが、実際は人々に奇跡を起こす魔術として信仰されていたこともあったんですね。
ガイドさんも、映画終盤の墓地のシーンを挙げながら同じことを説明してくれました。
休憩地点へ
1時間弱、墓地の中でウォーキングツアーをして、近くの観光案内所で休憩時間が設けられます。
ニューオーリンズの歴史を語る絵があります |
エントランスにはニューオーリンズの歴史を描いた絵が頭上に飾られていました。
何だかケープコッド・クックオフみたいですね。
なお、セントルイス第1墓地ですが、観光名所でありながらあまり治安が良くないと言われる場所にあるため、オフィシャルのガイドツアーに参加して訪れる方が安全です。
(むしろツアーに参加しないと敷地に入れてくれないかも・・・)
周辺は壁に落書きがあったり、人通りも少なく死角が多い場所でお世辞にも雰囲気は良くなかったので、安全に案内してくれるガイドさんと一緒に訪問することを推奨します。
墓地の近くの大通りであるノース・ランパート・ストリート周辺も、夜間の安全を考えると宿泊は避けた方が無難かもしれないですね。。。
後半に巡った場所はまた次回。
0 件のコメント:
コメントを投稿